Nature Photo 05 by Studio Lazuli

スイス・イタリア国境を通過するため、アルプス超え

ローザンヌの夕食会でイタリアのジェノバ出身の友人カップルにジェノバ近くで地中海の雰囲気を満喫するのにベストの場所を尋ねたところ、ジェノバから海沿いに東側に80km程向かったところにあるチンクエ・テーレという地域に行くべきだとアドバイスされました。チンクエ・テーレはイタリア語で【5つの大地】という意味ですが、地中海の断崖絶壁に囲まれた5つの小さな漁村から成る世界遺産に登録されている地域のことを指します。今日はそのチンクエ・テーレに向かうためにアルプス山脈のサンベルナールという場所を抜けて、スイス・イタリア国境を超えるのが最初の目標でした。

アルプスの大自然の中で山岳写真

新古典主義の巨匠ジャック=ルイ・ダヴィッドが描いた代表的作品『サン・ベルナール峠を越えるナポレオン・ボナパルト』という絵画がありますが、その舞台になった場所がこのサン・ベルナール峠です。実際にイタリア獲得を目指し、ナポレオン・ボナパルト率いるフランス軍が1800年にここサン・ベルナール峠からアルプスを越えた記録が残されていました。ここは標高2300m程の場所なのですが、ローザンヌとは打って変わって気温が低く、ジャケットを身につけていてもかなり涼しいです。また、地上では見られない美しい高山植物が咲き誇り、遠くには雪山が聳え、まさにヨーロッパ・アルプスに来たということを実感できる美しい光景でした。これだけの標高まで登ると天候は非常に変わりやすく、3脚を使ってカメラを同じ方向に構えていても山の表情が一瞬にして変化していきます。その大自然が魅せる美しい瞬間を逃さないようにシャッターのタイミングを狙い定めるのが山岳写真の楽しいところです。

 

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